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ソケットシールド・ルートメンブレン

2020年5月22日  カテゴリ:インプラント治療




「組織をなくしてから作る」より「いまあるものを保存する」

この方がはるかに成功率も高く痛みや腫れも少ない。

保存不可能な歯をあえて全部抜歯せずに歯根の一部を意図的に残す。
これをソケットシールドやルートメンブレンテクニックと言います。

天然歯の歯根には歯根膜と言う血流が豊富な組織が付着している。
歯を抜くとその歯根膜からの血流がなくなってしまうので、
時間の経過とともに周囲の歯槽骨や歯肉の委縮が進行します。

前歯の様な審美的に重要な部分の治療の場合はその組織の委縮が致命的。
機能的に咬めるだけでなく周囲組織の形態バランスはとても重要。
なので軟組織(歯肉)移植や骨造成など様々な組織再生を行うのです。

組織保全のために保存不可能な歯の感染部分だけを除去し、
健全部分を意図的に残し周囲組織への血液供給を途絶えさせなく。
残し方にはいろいろあるが今回は唇側の一部を残した。

通常のソケットシールドだと同時にインプラント埋入まで行うが、
あまりにも骨厚みがないシビアなケースだったので、
シールド製作後に歯肉内部にスペースを作り大規模骨造成を行った。
その後吸収性人工膜で封鎖し仮歯を装着し約9か月ほど待ち、
満を持して本日インプラント埋入を行ったのです。
コロナで手術延期などもあり長い長い道のりでした。

術後のCTの側面画像。(写真上)

埋入したインプラントの唇側(左側)に板状のシールド(歯根の一部)が見える。
その先端部分は歯肉内部からスペースを作り骨造成を行った部分。
大きな切開剥離を加えず袋状にホールドさせた部分は予想以上に骨再生してる。
そして板状のシールドの左側先端にはわずかに既存骨が残っている。
周囲組織を挫滅させなかったのでしっかり残り歯槽提の先端となっている。

カムログインプラントシステム(独)コーンログプログレッシブ
直径3.3mm 長さ11mm 高さ2mmのヒーリングアバットメント装着

手術回数は今日含めて2度だが、

・縦切開
・広範囲な骨膜全層弁剥離
・減張切開
・結合組織移植
・他部位から採取する骨造成

など、痛みと腫れが大きくなる術式は1つも行っていない。
今日のインプラント埋入と追加GBRは約30分で終了した。

歯科治療…特にインプラント治療は派手な術式に興味が集まりやすいが、
キャリアを積めば積むほどそこから離れていく自分がいる…。
少人数のセミナーやハンズオンコースならじっくり向き合えて楽しいが、
大勢の前で話すのは最近興味がなく苦痛にも感じるようにもなった。

「組織をなくしてから作る」より「いまあるものを保存する」

人間が元々持っている自然治癒力をうまく活用することで、
痛みや腫れの少ない低侵襲歯科治療が可能なのです。

痛みと腫れの少ないインプラント治療



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