原因から考えるインプラント治療のトラブル

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世の中に溢れている「インプラント失敗例」は、すべて理由があります。

年々増加するインプラント治療の失敗ケース

中高年多数歯欠損から若年者少数歯欠損のインプラント治療が増加してきており、インプラント治療に対する期待が高くなっています。
また、トラブルケースの原因の多くが、最初の診断のミスによるところが大きいと言わざるを得ません。特に少数歯欠損の場合、インプラントのポジショニングが限定されるため、無理をして埋入を行いトラブルとなるケースよく見られます。これらを回避する為には術前の診断をしっかりと行い、インプラントを埋入するのに十分な骨を作ったうえでインプラントを埋入する必要があります。

原因から考えるインプラント治療のトラブル

多くの方が快適な口腔環境を取り戻す目的で、歯科インプラント治療の恩恵を受けています。不快感が大きな取り外し式の義歯ではなく、ブリッジのように健全歯を削ったりすることなく、失った部分だけで欠損部分を補うことができる方法である歯科インプラント治療は、現代人の生活の質の向上のために必要不可欠なものになりました。
その反面、歯科インプラント治療によるトラブルや失敗も増えてきている事も事実です。では、具体的にどのような問題が生じ、そうならないためにはどうしたらいいのでしょうか。また、残念ながらトラブルが起きてしまった場合はどのようにしたらいいか。一般的なインプラント治療の流れに沿って、原因別に詳しく説明していきたいと思います。

CASE1全体の診査診断治療計画の問題

歯を失った原因は、歯周病や歯根破折、咬合のアンバランスなど複合的なことが大半です。根本的な原因を解決せずに、欠損部分に歯科インプラントだけを入れても本当の意味での解決にはなりません。口腔内全体のかみ合わせを整え、バランスの良いかみ合わせを獲得できる総合的な治療計画が重要です。

ドクターからの一言アドバイス

医療法人社団京和会
理事長 梅田 和徳

デンタルCTによる3次元データは、今や必須の時代3Dイメージなしの手術は医科の世界では存在しません。全体の咬み合わせを診断し、どのように改善していくかなど全てはこのスタートが重要です。

CASE2インプラントプランニングの問題

歯科インプラントは一定の厚みの健康な骨で支えられていなければなりません。不足している場合は骨造成して増やすか、それができなければその部位には無理にインプラントを入れないような計画を立てる事もあります。また、歯科インプラントのデザインや、太さや長さの選択も、その環境に最適なものを選ばなければなりません。

ドクターからの一言アドバイス

KU歯科 渋谷
院長 鎌田 昌美

骨量・骨質はもちろん、歯肉の厚みや性質などは個人差があります。それらを十分に把握し、その人にとって最適なインプラントシステムを選びます。

CASE3インプラント埋入時のトラブル

どんなに素晴らしい器具器材を使用したとしても使うのは人間です。血管や神経などの解剖学を正しく理解し、人それぞれ違う骨質や環境を考慮した上でで安全に手術を行わなければなりません。デンタルCTによる3次元データから製作するサージガイドは、手術時の歯科インプラント埋入ポジションを狂わせない安全機構の役割も持ちます。

ドクターからの一言アドバイス

KU歯科
副理事長 加藤 さゆり

どんなに経験のある歯科医でも人間ですから手元が狂うこともあるかもしれません。そういった偶発事故を防ぐ為に安全機構のついたサージガイドはインプラントの信頼性を高めます。

CASE4骨結合(オステオインテグレーション)しない

骨質は個人差もあるうえに部位によっても様々です。硬すぎる骨の場合は過剰なストレスをかけないよう注意して埋入し、軟らかすぎる骨の場合はしっかりと固定できる術式やインプラントシステムを考慮しなければなりません。いずれも手術直後よりもしばらく時間が経過してから骨結合をしていないという状態がわかることが多いです。

ドクターからの一言アドバイス

KU歯科 青山
院長 吉野 綾

肌と同様、骨も代謝を繰り返しています。人間の加齢による変化を理解し、その人固有の骨質を把握するには数多くの経験に勝るものはありません。

CASE5軟組織(歯肉)不足

インプラント周囲は角化歯肉という動かない健康な歯肉が一定量必要です。口の動きによって引っ張られる可動粘膜がインプラント周囲に近い状態は歯肉の炎症を起こしやすくし、その結果歯肉退縮の原因となります。歯肉の形や色は前歯では審美的にも大きな影響があるので、近代インプラント治療では必要不可欠な成功要件となっています。

ドクターからの一言アドバイス

KU歯科 渋谷
院長 鎌田 昌美

年々、歯周外科手術を併用する機会が多くなってきました。一つは周囲との調和を図る為の審美的な要求から。もう一つはインプラントを保護する周囲の動かない粘膜を作り、長期間周囲組織をキープするという目的です。

CASE6上部構造のトラブル

精密な方法で適合の良い上部構造を製作し、インプラントと上部構造を連結するアバットメントを含めて適正トルクでしっかり固定します。上部構造を接着剤で固定する場合は浮き上がり屋接着剤のとり残しに注意し、ネジで固定する方法は緩みがないか定期的にチェックしなければなりません。
また、歯科インプラントには天然歯にはある歯根膜という緩衝材がないため、わずかなかみ合わせのエラーが骨結合や上部構造の破損や緩みに直結することが多いです。それを回避するためには、耐久性のある材質の上部構造を選択したり、インプラント特有の咬合調整を適切に行うことが必要です。

ドクターからの一言アドバイス

KU歯科 銀座
院長 小野田 俊介

上部構造の材質の進化はめざましく、年々メタルフリー(金属不使用)が進んでいます。審美性はもちろんのこと、強い衝撃や咬みしめに耐えられる丈夫なオールセラミッククラウンの登場から、メタルボンドはあまり行わなくなりました。

CASE7予後メンテナンスの重要性

歯科インプラントにも天然歯の歯周病と同じような「ペリインプラントタイティス」という周囲組織の炎症や骨吸収が起きる可能性があります。日常のセルフケアはもちろんですが、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアを定期的に行い、自分では管理できない部分のクリーニングや、チェックを行う事をお勧めします。

ドクターからの一言アドバイス

医療法人社団京和会
理事長 梅田 和徳

毎日のお掃除を私たちが行うことはできません。日々の口腔ケアは患者様が行うもので、それが上手にできるように歯科衛生士が徹底指導いたします。その不足部分を補う為に他の口腔組織のチェックも含めて、定期健診が日常化されることが重要です。

トラブルの際の対応

歯科治療全般に言えることですが、治療をして終わりではありません。むしろその後のメンテナンスの方が重要であるとも言えます。なので、歯科インプラント治療を行うクリニックを選択する際は、治療終了後の予後メンテナンスまでサポートしてもらえるかどうかなどもチェックポイントです。
残念ながら治療途中や終了後のトラブルで担当歯科医院が適切な対応をしてくれなかった場合は、大学病院や近隣の歯科インプラント経験の豊富な医院で相談する事をお勧めします。

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